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私淫らに堕ちます

第5章 ホテル②

 霞んだ目の前で,彼が妖しい目を向け,口移しで液体を流し込んでくる。

吸血鬼に魅力された女のように為すがままにされる。わずかな抵抗さえする気がしない。いや,望んで身を捧げているといった方がいいだろうか。

「今までみた女性の中で一番魅力的だよ。ぼくは先生に会うためにきっと生まれてきたんだ。先生とこうなって本当にうれしいよ。」

 そう囁く呟きは魔法の言葉。夢うつつのわたしをさらに天国へと向かわせてくれる。彼の言葉で,わたしの体は彼色に染まり,そして何者にも変わることが出来る。



 初めてのSEXで失神してからどれぐらいの時間が経ったのだろうか。その間数えられないぐらい絶頂に達していた。

 失神していたのも彼によるとわずかな時間で,それからずっと彼によって天国にのぼらされていた。イッて体が静かになるひとときの間,彼から液体を口移しで与え続けられた。

 液体が喉を通り,しばらくすると体の火照りが激しく炎上してしまう。自分が自分でなくなるかのように性欲が高ぶってくる。あの液体の正体は彼の言った媚薬なのではないだろうか。ふとそう思っていると,彼と向かい合い,彼の膝の上に座ったまま抱き締められた。

 身長の高い彼にはちょうど胸の辺りにわたしの頭がくる。

 細いのに十分に発達した胸筋に顔を埋めると,男を意識するとともに,守られているようなほっとした安心感に胸が温かくなる。

 SEXもいいが,やはりこうした肌と肌の触れあいが,一番幸せを感じる時間である。

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