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私淫らに堕ちます

第6章 デート①

 あっ,彼からだ。

 まさか来るとは思わない相手からの通知に思わず顔を緩ましてしまう。はっ,私は何を。違う違う,そうじゃない。内容を見たいが,ちょうど危うい話をしていたところだ。ぐっと自制する。

「ねぇ~,じっとスマホ見てるけど誰からなの?」

 怪しいという目つきを露骨にじっと見てくる。相変わらず油断がならない。さて,何ていいわけしよう。

「えっと。生徒からよ。何だろう?きっと何かの相談ね。」

「へぇ~,何の相談?デート?」

「ぷっーー。もうさっきから何言ってるのよ。違うわよ。仕事よ仕事。」

「で?見なくていいの?」

「いっ,いいわよ。そんな急ぐものでもないでしょうし。」

「うん?急ぐものかもしれないでしょう?あれ,仕事でしょう?」

 ますます怪しいという顔を向けてきた。視線をつい逸らしてしまう。

「うっ,そうよね。仕事だからね。」

 なんていいわけじみて,通知を確認した。


『先生。お尻は大丈夫ですか。しっかり冷やしてくださいね。また可愛がってあげたいですから。
 明日デートしましょう。場所は,下見水族館に15:00に。先生ってバレないよう変装してきてくださいね。』

 まさかのデートのお誘い。思いもよらない誘いに動揺してしまい,目の前に親友がいることを失念してしまう。

どうしよう。どうしたらいいの。

「何?どうしたの?びっくりしたような顔して。まさか本当にデート?」

「違う違う。そんなんじゃない。」

顔を真っ赤にして叫んでしまい,慌てて周りに軽く頭を下げる。もぉ~,何やってるんだろう。最悪。

雫は,何も言わずじっとこちらを見つめる。

「何?何なのよ。」

「別に~。いいんだけどね。でもドロ沼にはまるようなことだけはしなさんなよ。」

という雫の言葉が胸に刺さった。いやすでにドロ沼に半分以上体が埋まってるような気がする。

 断るという選択肢を選べない,がんじがらめに意思を縛られた今の自分に昂揚してしまった。

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