蜜と獄 〜甘く壊して〜
第5章 【絶頂地獄の成れの果て】
「うん、リリカちゃんが決めたやつで」
「では順を追って……」と身体をピタリとくっつけた。
「ど、どこまでOKなの?」
「さぁ…?それはしてからのお楽しみ、ですね」
「状況次第で変えたり出来る?Sした後にMとか」
マニアックだな、おい。
通い過ぎて麻痺してるのね。
クスッと笑って「良いですよ」と快諾してあげた。
「じゃあ、最初はSで…」
そう言う彼の膝の上に乗り言葉を遮る為に唇を指で押さえた。
「ん…?どっちが先かなんてこっちで決めるの……どうせ最初は弄られたいんでしょ?」
一瞬で豹変した私に目の色変えて口角を上げる。
顔を近付けて鼻の先くっつけて。
「キスすると思った?しないよ」と耳を甘噛みする。
ゆっくりジャケットを脱がして乳首を立たせる。
ここまではどのキャストも同じだろう。
オプションは使い放題だと聞いている。
金遣いは荒い方ね。
散々楽しんだ後でクレーム入れるタチだろうか。
もしくは誰かの差し金か。
うちのお店の入店履歴はないから他店舗からの視察かも知れない。
ハシゴしてるって言ってる割にうちに来ないのは不自然だ。
困らせて来いって言われてるのかも。
まずは焦らして…といきたいところだけどこちらも相手の出方を見る必要がある。
遅漏なのが本当ならマッサージしなければ。
「ちなみに今日はまだ出せてないんですよね?」
「うん、リリカちゃんお願い、出させてよ」
「ん……乳首は好き?」と愛撫から爪を立てたりしながらずっと顔を見てる。
この仕事をするようになってから特に目力は強くなった気がする。
仮面効果も大だけどジッと見つめればそれなりに興奮作用も有ると見た。
「めっちゃ見てくるね?見れば見るほど美人だってわかる」
「んふふ、ねぇ、そういうの照れるからやめて」
「わ、急にSスイッチ……え〜だってさ…」
「何しに来たの?抜きに来たんでしょ?」
そう言って腰を下ろし触れるか触れないかの素股を試みる。
今日は少しだけ丈の短いワンピース。