
タイトル未定
第1章 1章
真っ白な天井に無機質なまでの蛍光灯が目に入り眩しさで目が覚めた。
辺りを見回そうと身体を動かそうとすると¨ズキっ¨とした痛痒い感じが全身を走り、動ける状態では無い上に、顔も身体も海の中にいるときよりもベタベタした感じがした。
身体を動かす事が出来ない為、目で周りの景色を追っていると。
腕にはプラプラと点滴の管が揺れている。
自分が横になっている白いシーツのベッドの周りは小さな棚の上にテレビがあり、ベッドの周りを囲むようにクリーム色のカーテンがしてある。
カーテンが少し開いていては、その隙間のお部屋入り口のドアを挟んだ所で、看護師とお母さんが真剣な顔で話していて、更に向こうの廊下側にはおばさんに抱かれたみどりちゃんが泣いて、オレンジ色のソファーに座っていた。
幼いながらもこの状況にただ事では無いと思い、一体自分の身に何が起きたのか、とてつもなく不安になって、お母さんの表情を見つめていた。
視線に気づいた、お母さんと看護師さんがおばさんとみどりちゃんを呼んで、皆が私の元へとやって来た。
私が見た、皆の表情がほんの少し前とは違い、少し和らいだ気がした。
「ごめんね……」
「?」
私は一体、何故ごめんねなのか理解出来なかった。
更に「お母さん、これからは本当に気を付けるから、また違う、もっと楽しい遊びをしようね。」
泣きながら話すお母さんに私は自分が何かしたのかと思いながらも戸惑いを隠せないでいると。
理由を話していない事に気が付いたのか、深呼吸をして決心を決めた目で私の目を見ながら、何て言ったら言いか言葉を探しているように見える。
その様子を察した看護師さんが、柔らかい笑みで
「お日さまはあなたの事を好き過ぎて強い光を当て傷付けちゃうから、なるべくお日さまとは離れながら、沢山遊びましょう。
今は辛いけど、二、三日様子をみたら、お家に帰って何日かしたら、元に戻って遊べるから安心してね。」
言った。
隣にいる、おばさんもみどりちゃんも私の安心した顔を把握したのか、安堵の表情を浮かべていた。
後で分かった病名は¨光線アレルギー¨で日の光を浴びすぎて起きた、アナフィラキシーショックが原因で身体中に湿疹が出来、痒みとなり、熱を帯びて痛みになり、意識が朦朧としていくらしい。
ベッドの上で顔や身体がベタベタしていたのは、
ステロイドを塗っていたからだ。
