イラクサの棘
第17章 暁ニナニヲオモウ
「ここ、弄ってもらうの好き?」
「…ふっ、んん…ひぅァァ…」
舌先で擽るようにころがすように
きつめに吸い付いて、甘噛みもしてやる。
執拗な乳首への愛撫
切なげに啜り泣く声は
鼓膜から最高値の興奮を響かせてくる。
かすかに聞こえる自動車のエンジン音
余裕なく喘ぐ潤の耳には
おそらく聞こえてはいないだろう。
長野先輩が運転して帰ってきたのか
2人分の気配の物音。
「潤、ほら自分で、握ってみろよ。」
「…ぁ、うぅ、…はんっ…ぁあっあんっ」
ぎこちない動きすら、感じるのか
吐息をこぼす唇の端から唾液が伝い落ちる。
「そう、上手にできてるよ
もっと、はやく…動かして擦り上げて。」
「…ァァン…んぁ…しょさ…できなぁ
…んふ…やぁ…」
涙を吸い取ってやりながら
促すかように耳許で優しくささやく。
ちゃんと1人でもしてもいいのだと
潤のしたい時
好きな時に、自由に
潤の意思で開放できるのだと
肉体のプログラムを書き換えてやりたい。
「潤、目を開けて、俺を見ろ。」
熱に魘されるように
うつむき眉根を顰めて扱き続ける潤の
顎先を掬いあげて伝えてやる。
「潤、自由に感じればいい。
潤が気持ちよくなるように、
おまえのタイミングでいいんだよ。」
「…ふぅ、しょ…んんっさぁぁ…あんぁ、」
俺に跨る潤の両脚が痙攣し始める
潤のモノは絶頂に近づいてきている。
さまよう迷子がたよりなく
親を探し求めてか細い声で呼ぶように
何度も俺の名前を呼ぶ。
「俺も…気持ちいいよ、
はぁ…ほら、潤とおなじだろ?
ガチガチでぬるぬるで、はぁ…
俺ら2人のでぐちょぐちょだな。」
「あんっしょぉ…翔さぁ…ぁんんっ」
淫靡な水音が室内を充満する
潤の左手が俺の肩口に食い込むように
爪をたてて縋り付いてきた。
「いっ翔…さぁ…んっも、いぃ…ィクっぁあんっ!」
身体を弛緩させながら人肌よりも
あたたかな白い飛沫を
俺らの腹の間に飛び散らせる。