テキストサイズ

イラクサの棘

第17章 暁ニナニヲオモウ

潤side



「シャワー浴びておいで。」

「うん、ありがとう。翔さんは?」

「俺は、身体拭くだけにしとく。
たぶん、帰ってきてるみたいだ。
下で人の気配がする。」

「ほんと?ぜんぜんわかんなかった。
じゃあさっさと浴びてくるね!」


抱きしめられてた翔さんの腕がほどかれる。
触れ合ってた身体が離れるときに感じた
ほんのすこしのさみしさ

それよりも、倦怠感の中に
芽生える高揚感のほうが遥かに優ってる。

翔さんと目が合うだけでドキドキする。

ただその感情は
智を思い出す時に胸を締めけるような
切なさと苦しさの入り混じる痛みを
伴うものじゃなくて


翔さんの温かなぬくもりに
つつまれる安心感と
このままもっと触れていて欲しいと思う 
自分勝手な願い。



うまく表現できない
まだ自分でも分からない

リハビリだって笑って言ってくれる
翔さんに甘えてしまうけど



翔さんの告白には、ちゃんと考えて返事したい。



この旅が終わるまでには…


シャワーを熱めの湯にして 
手のひらの泡で全身を包み込んで洗っていく。



「バレちゃったな 
胸まで、あんなに感じるんだって…」

女子みたいなやわらかな膨らみもない
こんな扁平な胸なのに
智の手によって
俺の胸は、とても敏感に感じてしまう
性感帯にされている。


翔さんは、どう思ってるんだろう…



 
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ