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イラクサの棘

第19章 診療所

翔side


「では、こちらにご記入ください
ここの病院は初めてですか?」

「あー、いいっていいって。
カルテはテキトーにこっちで書くから
翔っ、おめえも一緒にはいれよ!」

相変わらずよく響くデカい声。

松岡くん、いや松岡先生って呼ばれて
白衣は着てるけど、頭にはタオル巻いている。

「おめえ、ずいぶん久しぶりに連絡して
きやがって。おう元気にしてんのか!」

「だから俺は、元気ですって
松岡先輩、俺のことはいいから
こいつ、
潤のこと診てやってもらえませんか?」

「ああ、そうだったな。
いやぁすまんすまん!
おまえラッキーだぞ
今週、城島さんが学会に出て留守だったから、
俺がここに来てんだぜ。」

「あの、よろしく…お願いします…」 

松岡先輩の声のデカさと俺への横柄な態度に
かなり萎縮してるのか潤の声がか細くなってる。


「じゃあ、口開けてみてー
はーい、喉の奥見るから舌だしてー
おお、そうそう
ちょっと赤く腫れてるなぁ
次、胸の音聞くぞーシャツ上げてー」


てきぱきとした手際の良さで
診察が終わり、
結果、風邪のひきはじめだろうって
ことで薬を処方してもらうことになった。



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