イラクサの棘
第21章 微熱
「とにかく潤がメシ食ってくれて
安心したよ、あとは薬飲むだけだな。」
「ごちそうさまでした。
残しちゃったけど、明日の朝も
残りいただくね。」
「おう、
はやく熱下げて元気になってくれよ?
せっかく恋人同士になれたし
潤ともっとイチャイチャしてえんだもん。」
「翔さんの…バカっ…。
でも、好きだよ。」
「潤っ、俺も好き。
あ、ほらもう布団に入ってなきゃ。」
おっさんには潤の体調を崩してることは
連絡しておいたから、
相手にも訪問する予定が週末よりまだ
先になる事を
伝えてくれと頼んでおいた。
充電が切れてしまった潤の携帯の
電源はオフになったまま。
体調が戻ったら手渡しやるつもりだ。
心痛や、危惧や憂い
そんなものは近づかせない
今の潤に必要なのはやすらかな休息
「潤、抱っこしてやろうか?」
「うん、翔さん
じゃあ、ベッドまで連れていって。」
なんて愛らしく微笑みかけてくるんだ
腕を伸ばして素直にあまえてくる。
潤の微笑は胸に深く突き刺さるほど威力がある。