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イラクサの棘

第22章 どこ

智side


「もしもし!
あっ先生、あれから待ってるんですが
潤からまだ連絡が来なくて。」


「はい、はい?えっ?!
マジで?あいつ体調崩してるんですか?
今どこに?」

「はぁ?知らねーの。
いえ、失礼しました、居場所が
分からないって…はあ?」

「分かりました、またなにか連絡あれば
こちらにも直ぐにおねがいします。
では、お身体大切にしてください。」






敬語は苦手だ。
まあ、あの先生なら乱暴なしゃべり口調だって
文句を言ったりはしねぇだろうけど
ある程度は身につけとかなきゃな。

「しかし、潤の奴大丈夫なのか?
むかしからよく熱出してたけど
ちゃんと病院とか行ってんのか?」

何度か携帯を鳴らしてみても
電源が入っておりませんの案内通知が
虚しく聞こえるだけ。

まあ、1人じゃないし
ちゃんと面倒見てくれる同行者が
いるからって言ってたけど
いったい潤とどういう関係なんだ?


「くっそぉ、焦れってぇな…」

「智兄、俺そろそろ帰るね?」

「あ、すまん。
もうそんな時間か??いつも悪いな
晶のこと寝かしつけまでしてもらって。」

「ううん。晶、めっちゃかわいいんだもん。
智兄、今夜も姉ちゃん帰りが遅いね。
仕事大好きな姉ちゃんでごめんね。」

「なんで、雅紀があやまるんだよ!
俺は美也子の仕事への姿勢は尊敬してんだぜ。
父ちゃん、母ちゃん、2人とも
美也子に最後まで面倒見てもらったしな。」

「そうだね。
姉ちゃんってホントすごいよね。
あ、さっきの電話大丈夫だったの?
智兄、なんか怒ってたみたいだったから…」

「ああ、ちょっとな。
この前言ってた話がなぁ…
よし!!雅紀、今夜は2人で飲むぞっ!
うちに泊まっていけ。」




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