イラクサの棘
第32章 兄と弟
っと、なんだ?アレ??
急に走り出しちゃって
相葉ちゃんがすっげぇ不安になってるじゃん
もしかして、ここが俺の出番?!
もう少しして走りだした人が
戻って来なかったら声をかけて
みようと思ってた。
でもすぐに
肩をがっかりと落として戻ってきたから
声をかけるタイミングはなくなった。
駐車場から出る相葉ちゃんの車の
すぐ後ろに着けて軽快に走り出した。
自宅への帰路だし
もう、大丈夫だろうなって思ってたその時
相葉ちゃんの車がいきなりの蛇行??
急ブレーキ!?
車間距離を取ってなかったら
危うく大惨事になるところ。
しばらくたっても運転席から降りてこない。
車の調子が悪いなら降りてきて
様子見たりするんだけど…
「よし!ここだよねっ」
さあ、しっかり報酬分の働きをしなくちゃ!
クスクス
これでまた、和也兄さんに褒められるかな。
退屈だった一日が報われることになった。