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イラクサの棘

第34章 訪問者

雅紀side


ピンポーーーン
ピンポーーーン

誰だろ?
こんな朝早くに?
智兄かな?

ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピン!

あ、クフフッ。
これって絶対ニノの押し方だよね。


「どしたの?こんな朝早くに?」

「おまえな、携帯くらい見ろや!」

「あ、すっかり忘れた。
ごめんね…ニノ?」

早番明けで、モーニングを食べに店に行ったら
俺が体調不良で休みだってきいて
そのまま店を出て
すぐにうちを訪ねてきてくれたそうだ。

手にしたコンビニの袋には
俺の好きなビスケットにスナック菓子。
あと、コンビニにあったフルーツも
りんご、バナナ、グレープフルーツ
え?最近ってマンゴーまで有るの??

あ、パイン飴だぁ
小さい頃俺が好きだったって言ったことある
懐かしい飴の袋。


「うわぁ、スイーツもいっぱいある」

「具合は?
どうなんだ?飯は食ったの?」

そうだ、漁港を出るとき
ニノにも晶と2人で撮った写メを送って
今から帰りまーすって
メッセージを送ってたんだ。


その送信したスタンプに返信したけど既読が
つかないことに不思議に思ってたらしい。
いつもなら出かけた時に買った土産は
その日中にニノんちに押しかけて渡しちゃうのに
それも無かったから、俺のこと心配して
店に寄ってくれたそうだ。



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