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イラクサの棘

第35章 朝のヒカリ



シャワーを浴びて髪を乾かすついでに
携帯を確認しておく。
松岡先輩からの留守番メッセージは
後で聞くことにして、
おっと、
コイツからのメッセージは確認必須だな。




控えめなドアベルの音

遅めに頼んでおいた朝食は
テーブルにセッティングしてもらう。
ムリに起こして寝不足で不機嫌な
顔をさせるより
潤の目覚めるタイミングでいい。


頼んでおいた新聞にざっと
目を通して、2階の寝室へ戻ることにする。


まだねむりの世界でまどろむ潤の
愛らしい寝顔を堪能させてもらおうか。

そっと開けた扉の隙間から
まばゆい朝の光が差しこんでくる。

潤の為にブラインドは下ろしておいた
筈なのに?

ゆっくりと扉を開けると

そのシーンにしばらく言葉を失ってしまう。


朝の光の中に浮かび上がる
美しい背中、真っ白な素肌をさらして
窓際に立つ姿は
書斎に飾られてる
あの絵を強烈に思い起こさせていた。


ヒカリの中の天使



しなやかな肢体
抱きしめてやると、ちいさく
震るえながらしっとりと
ぬくもりをつたえてくる素肌の弾力



ほぼ、完璧な一枚の絵画がそこに息づいてた。





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