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イラクサの棘

第37章 オオカミ&オオカミ

潤side



「なんでも言えよ。
なんなら今すぐ襲ってもいいぞ。」

「も、バカッ違うってば!
今から智に電話するけど、
翔さんと一緒に会いに行くって伝えていい?
翔さんのこと俺の恋人として
智に紹介したいんだ。」

「もちろん、よろこんで。
潤と一緒に会いに行くよ。
俺も、実は彼の個展作品観てみたいと思ってたし」

「ホント?いいの?
じゃあ2階で、智に電話してくるね」



どうしよう、すっげえうれしい!

智に電話することがこんなに
うれしいって思えるなんて。
一緒に会いに行くよって言ってくれて
恋人として紹介することも
よろこんで、って微笑んでくれた。

「コーヒーごちそうさまっ」

「おーい、階段気をつけろよ。」

「はーい!」

ふふ、翔さんの
心配症がまた発動しちゃってるし。
飲み終わったカップを濯いで、携帯片手に
階段を上がる足取りはすごく軽やかで。


「ホント、眺めが最高なんだよなぁ」

初めて結ばれる夜の為に
こんな素敵なロケーションの部屋を探して
予約してくれた。


「あ、まだ汚れたままだ…」

今朝の窓際での翔さんとのいやらしい行為が
鮮明に思い出される。

この部屋で夕べ俺は翔さんと結ばれてた。
翔さんに、俺の身体の隅々の情報の
細部までインプットされて、
俺は翔さんの愛を注がれて受け止めたんだ。


「ちょっ、ダメダメ!
先に、電話しなきゃだろ?」

ゆっくりふかく深呼吸をする


あ、翔さんの香りが、する…
もしかして…この室内にはまだ
2人で愛し合った時の匂いとかも…
充満してるのかな?



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