テキストサイズ

イラクサの棘

第41章 再会



「あ、潤ちゃん、翔ちゃん
こちら、ニノちゃんで俺の親友の二宮和也
お医者さんなんだよねー」

「離せよ、おバカ!
ったく俺は休憩中なんだぞ。」

「だってすっごく運命的なんだもん。
お世話になった2人を、智兄の個展に
連れて行く途中で、親友のニノにまで
出会っちゃうなんてっ!」



これってミラクルだよ?!
なんて興奮気味な相葉くんの様子を見て
笑い出す潤。
俺も笑い飛ばすフリをしてるが
あいつからの視線はひどく冷徹なモノ。


「えっと、俺は…櫻井翔です
はじめまして、こっちは俺の恋人の…」

「こんにちは松本潤です、よろしく。」

「ども、二宮和也って言います。
医者やってます、こいつとはもう腐れ縁
みたいなもので、毎回こうやって
こいつに振り回されてまくってます。」

「クフフ、じゃあね
俺は相葉雅紀といいまーす
相葉のアイは、らぶの愛じゃなくて
相場のアイで、相葉のバはぁリーフでぇ」

「ストップ!!
誰もおまえのしょーもない自己紹介ネタ
なんて頼んでもねぇよ。
じゃあな、…俺はこれで失礼します。」

くるりと背中を翻す二宮和也の腕を
掴んで離さない相葉くん。
こんなわちゃわちゃはいつもの事なのか
鬱陶しそうにしながらも
二宮和也の瞳は優しく微笑んでいた。

「ダメダメ!ニノも一緒に行こうよ!
智兄に紹介したいんだ
ほら、この前うちにお見舞いに
いろいろな物差し入れくれて
たまご粥も作ってくれたでしょ!
智兄びっくりしてたんだぁ。
だからね?みんなで行こうね!」


腕組みしてずるずると引っ張られるような
足取りで歩き出す二宮和也。
潤と俺がその後を苦笑いしながら
ついて歩いていく。

こらから起こることが
最大級の嵐になるのか、それとも…


一瞬、二宮和也と視線が交わったが
あいつの考えなど全く読めずにいた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ