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イラクサの棘

第41章 再会



「お待たせぇ、じゃあ行こっか!」

「ごちそうさまでした、相葉くん
ありがとうな。」

「うん、ごちそうさま。
本当に美味しかった。あの、図々しいのに
レシピもホントにいいの?」

「うんうん、ぜんぜん大丈夫だよ。
明日の朝には渡せるからね。
また潤ちゃんに連絡するね?」

カニクリームコロッケのレシピの件で
すっかり仲良くなった潤と
相葉くんは連絡先まで交換している。


「あ、翔ちゃんも。これ
俺のアドレスだから、またぜひ2人で
お店にも来てね。
ハンバーグもマジでオススメなんだよ!」

「ああ、分かった。ありがとな、相葉くん。」



ハンバーグか
あいつがこよなく愛するメニューだ。

俺らのすこし前を足早で歩き出した
相葉くんの足取りは軽く
手に持つ紙袋はたぶん義兄への差し入れなんだろう。




「あ!ニノだ!!ニノッちょっと待ってよ!」


いきなり道路を渡って向こうの歩道へと
駆け出して行く。
その衝動的な動きに潤と2人で度肝を抜かれる。


「相葉くんってもしかして
かなりのせっかちさんなのかな?」

「かもな。けど優しい、かなり人も良いし。
潤も連絡先交換しただろ?」

「うん、でもなんかさ。
すごい自然な流れだったから
相葉くんなら…いいかなぁって」

「だな、天性の人の良さかもな。」


警戒レベルが一気に跳ね上がる。


信号が青になり、横断歩道の向こうから
相葉くんが袖を掴んで引っ張ってきた奴。



まさかこんな形で遭遇するなんて
これもあいつのシナリオの一部なんだろうか?



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