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イラクサの棘

第42章 勢揃い




しばらく言葉が出せずにいた
大野さんの顔から、血色が失われていく。


「…はは、…すっげえ…訳わかんねぇ
なんか話の展開が、早過ぎて…」

パチパチパチパチ!!

「素晴らしい!
2人は恋人同士になれて
ただの旅行が
ハネムーンに変わるんだね?
同性婚もいよいよ認められそうだし
2人の未来はきっと明るいだろうね。」


「ニノ!」

抜群のタイミングで傍観者だった
二宮和也が、拍手と称賛を送ってきた。
俺にとっては完全なる厭味にしか聞こえないが
初対面の潤には
まったく第三者からの祝福に聞こえたようで
すこし頬を染めていた。

明らかに場違いなタイミングで
親友を連れてきてしまった事への焦りが
相葉くんの上擦った声で読み取れた。




奇跡的なミラクルの俺ら5人の出会い



但し、
内2人は何故かこうなる事を知っていて
内3人は過去の恋人同士、現在の義兄弟
複雑に絡まり合う5人の人間模様が
嵐が始まる予感をさせていた。




「俺は、そろそろ帰らせてもらいます
雅紀、おまえもそろそろお迎えに行って
やった方がいいだろ?
おにいさんはまだお仕事なんだから。」

「そ、そうだ。俺、智兄の代わりに
お迎えに行ってくるね?
あの、あとで晶も連れてくるからね。」



この舞台から降りた2人。
独りきり取り残された大野智が
俺ら2人とどう向き合うのか?





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