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イラクサの棘

第8章 温泉




「クシュン!!」

「ほら、そろそろ部屋入らないと
風邪ひくぞ。」

「うん、じゃあ俺洗い物するから
翔さん運んで来てね。
あっ、お皿落とさないよう気をつけてよ。」

雑に扱うなと念押しされたので
皿だけを静かに重ねて、グラスとは別に運ぶ。
自分なりに工夫してやってみると
結果的に割れ物も出ずに要領良くことが運んだ。


「2人でやるとはやいな。」

「そうだね、翔さんが丁寧に迅速に
運んできてくれたおかげだね。」

「おっし、じゃあ温泉の中で飲み直すか。」

「さすがにそれはダメなんじゃないの?」


タイミングよく岡田先輩が
Tシャツ1枚に短パン姿で風呂から戻ってきた。


「お、2人とも片付け助かったよ。
酒の持ち込みなら許可してやるぞ
但し、量はほどほどに自己責任だからな。」

「じゃあ潤、今から一緒にはいるぞ。」

「え?俺も?」

「よし、じゃあ俺ももう一度はいるぞ!
今から仲良く3人で温泉二次会だ!」



いや、ちょっとそれは…
余計な真似で
ゴリラ先輩も一緒にとは誰も望んでないんですけど
なんて言ってみたところで首を絞められるだけ。



ガシッと掴まれた手首を引っ張られて
とまどいながらもついていく潤。

「岡田先輩っ、ちょっと
酒は何持ってたらいいんですか?」

冷蔵庫の中のものを適当にチョイスして
持ってこいよと言い捨てながら
廊下に出る頃には
潤の肩を抱くようにして
2人並んで歩いていってしまった。




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