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イラクサの棘

第10章 チカヅケナイ



手を洗い終えて部屋に
戻ろうとした時、階下から物音が聞こえる
そっと降りていくと
岡田先輩の姿があった。

「おはようございます
昨日はお風呂で先に失礼してしまって」

「おう、はやいな、潤。
どうだぐっすり眠れたか?」

「はい、なんだかこの旅行で健康になれてきてる
みたいで、こんな早起きなんて
今まで出来なかったんですけど。」

「そうか、まだ寝ててもいいぞ。
朝飯の支度は、もうすこしかかるしな。」

生みたての卵をとる作業に
ヤギの乳搾り
それから飼育してる動物への餌やり
それらの作業の後に朝食の支度らしい。

「あの、俺も
お手伝いしてもいいですか?
邪魔にはならない様にしますからっ」

「おお、それはありがたいな。
ぜひ頼む。
それならまず作業着に着替えてもらうぞ?」

「はい、よろしくお願いします!」

「まるで、酪農研修生だな
よし、俺が潤にしっかり教えてやろう。」



よかった
部屋に戻っても、眠ってる翔さんと
一緒にいたら、
へんなこと妄想したり
またとんでもない夢を見るかもしれない。



翔さんには…
嫌われたくない

出来るならこの旅が終わった後
その先も
翔さんとの関係は続いほしいんだ。

このくらいなら
願っても大丈夫だよね?




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