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刑事とJK

第58章 破壊


「こんなどうでもいい内輪揉めも、犯人の思惑通りだと言うのか?」



警察科のひとりが言った



「まだ仮説のひとつだっつってんだろ」



「斉藤、言葉遣い気をつけろ」


藤野が注意した


が、斉藤は無視する



「こんな大規模な犯行、ひとりじゃ無理だ。
多分向こうは大勢いるはずだ」



「その線は濃いかもしれないな…」


と呟いたのは、警察科室長の林(ハヤシ)だった



「…仮にそうだとして、何故ここを潰そうとするんだ?」



その隣に座る刑部科室長の田巻(タマキ)が言った



「相当ここに恨みを持った…犯罪集団じゃねぇっすか?」




「犯罪集団か…
たちが悪いな」









しかし、ここからはあまり話が進まなかった



まず刑部科と警察科の者が、この話を いたずら だと片付けてしまう方向にある



これでは、いい策が出るものも出ない




一旦会議は中断され、しばらく休憩時間になった












「ふぁあぁ~、ねみー」



斉藤が時計を確認すると、もうすぐ日が変わる時間になっていた



「とりあえずお疲れ」



眠気覚ましにコーヒーを飲んでいるところへ、藤野が来た




「おう、お疲れさん」



藤野は斉藤の横に腰を下ろした


「…にしても、刑部科の奴らも警察科の奴らも
ほんと頭固いよな」



「まあな…
実際事が起こってからじゃ遅ぇっつぅのに…」



「で、お前は何か考えがあるのか?」




「まだ何も出てこねぇ」



「珍しくてこずってるなぁ」




「不明な点が多過ぎんだよ…」


斉藤は空き缶を放り投げ、ごみ箱へ入れた




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