刑事とJK
第60章 裏切り
時刻は23:50
もう、日が変わる
「ゆうひ…」
斉藤が仕事部屋に戻ると、ゆうひは机に突っ伏して眠っていた
可愛らしい寝息が聞こえてくる
何か背中に掛けてやりたいが、程好い毛布もない
仕方なく、自分の上着を掛けてやった
するとゆうひは小さく顔の角度を変え、
『さぃとぉ…』
と寝言
綺麗な髪の間から、スベスベした頬が覗いた
「…///」
勤務中だが、やはり少し欲望に負けてしまい
軽くその頬にキスをした
部屋から出ようと扉を開けたとき、階下で悲鳴が聞こえた
「!!!」
慌てて時計を確認する
…00:05…!!
犯人と思しい人間が、時間きっかりにここへ突入してきたのかもしれない
斉藤はゆうひを揺すって起こした
「ゆうひ、起きろゆうひ!!」
『ふぇ…?』
ゆうひは寝起きの顔で、頭がぼんやりしている
しかし、斉藤は無理矢理ゆうひを机の下へ隠した
『な、何!?』
「いいか、オレ以外の人間が入ってきても
絶対出てくんなよ!!」
『待って、どういうこと?
何が…』
「絶対だ…」
斉藤はゆうひの顔を撫でた
『…
…うん』
ゆうひの言葉を確認すると、斉藤は急いで部屋を出た