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「らあ!!!」



ついに斉藤のパンチが千堂にもろに入った



ガクガクと震える足を踏ん張らせ、千堂も反撃する



「くそお!!」


ピッと斉藤の頬を刃がかすめた

薄く赤い線が入る



『…!!』



もう生きた心地がしない…

早く終わって…




斉藤の拳は、千堂の顎に入った


脳を大きく揺すられ、千堂は白目を向いて仰向けに倒れた



「ハァ…ハァ…
へ、ざまぁみろ」


斉藤もフラフラになりながら、なんとか立っている





『よかった…』



斉藤が勝った…


やっぱり、夢なんて当たるはずがないんだ



ゆうひは斉藤の方へ駆け寄ろうとした




しかし、またあの嫌な予感が胸をよぎった




『…なんなの…？』




ゆうひは顔を上げた





斉藤の後ろに、倒れた男のうちの一人がゆっくり起き上がっていた



その手にある刃物がぎらりと光る






だめ…






男は斉藤に向かって走り出した







だめ…






斉藤はそれに気づいていない







だ…





『だめえええ!!!
斉藤おおぉー!!!!』














ドスッという音と一緒に血が飛び散った




男の手は、その血で赤く染まった







「…ゆう…ひ？」





斉藤の目の前で、
刃物は、ゆうひの腹部に深々と刺さっていた





『ぁ…ぁあ…』





男がナイフを引き抜くと、

ゆうひは唇を震わせて、その場に倒れた