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【リレー小説】ルイーダの酒場

第18章 泉の女神

「オレが落としたのは──きちんと仕事するカネミツだっ!」

言ってやったぞとムトは笑みを浮かべる。

女神は、「わかりました。きちんと仕事をするカネミツをお渡ししましょう」と一人のカネミツを置いた。

「やったぜ、これからきちんと仕事してもらおうじゃねえか」とムトは高笑い。

するとカネミツは……

「やれやれ、一時はどうなるかと思ったわい」

と左頬をさする。

「は?」

「まったく、老人の顔をいきなり殴るでないわ」

きちんと仕事をするカネミツこそが、いつもの大神官カネミツだった。

「うそだろーーっ! それなら俺を早く男に戻せよ!!」

ムトは怒りを抑えられず、スーパーハイテンション状態になった。

「待て、待て、待て、落ち着きなさい」

「これが、落ち着けるかよ!」

「次、男に戻してやる」

「なに?」

ムトのハイテンションゲージが下がってきた。

「お前のことだ。レンジャーの力を身につけたらその後は勇者になるのじゃろ。ならば、その時に男に戻してやる」

「本当だろうな」

「わしはきちんとした仕事をする大神官だ。嘘は言わん」

「よし、わかった。じゃあ、俺がレベル20に上がった時にまた会おう」とムトは仲間を連れ、まずは馬車を取りにいくため、ダーマ神殿を後にした。

大神官カネミツは、胸を押さえ息を切らす。

「まずいぞ……性転換は、同じ人物に一度しか使えないんじゃ。また男に戻すなんざ、今のわしには……」

嘘をついた大神官だった。


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