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【リレー小説】ルイーダの酒場

第16章 コンペイの塔

「きゃあっ! 何かプルプルと動いたぁっ!」

「おい、それってまさか……」

と、ムトがいいかけたところで、ふっくらしたニコニコ顔が見えた。

――キングスライムが現れた!

「うわぁっ、離れろっ!」

ムトとレミファとテヘペロは一斉に離れ、戦闘態勢に入った……が。

キングスライムは、エレベーターの中から出ることも動くことも出来なかった。

「お前、どうやって入ったんだよ」

それはいまから1時間と47分28秒前のこと。

上の階にいた、スライムナイトの小さい騎士が、ヤドカリのようにキングスライムに乗り換え用としていた時だった。

上に乗られるのが嫌だと、キングスライムは抵抗して逃げ回る。

たまたま、その階に上がってきたエレベーターが開き、中にいたホイミスライムとはぐれメタルが一緒に出ようとした時、逃げてきたキングスライムはエレベーターの中に飛び込んだ。

ホイミスライムとはぐれメタルはキングスライムに取り込まれ、頭の王冠がエレベーターのボタンに当たった。

2匹を吸収したはキングスライムはメタルホイミキングとなり、膨張したままエレベーターの中で身動きがとれないでいた。

つまり、これを倒せば、はぐれメタル一匹分の経験値が手に入る。

「おい、こいつの体ん中よく見ろ、はぐれメタルがいるぞ」とムトは、キングスライムの中にいるはぐれメタルの存在に気付いた。


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