テキストサイズ

【リレー小説】ルイーダの酒場

第17章 スカイドラゴンの卵

パームの言うとおり、塔の中をうろつくだけで、はぐれメタルが次々と現れた!

「あーたたたたたっ!」

武闘家・イワハシは、はりきって会心の一撃をかましまくり、レベルアップに貢献し続けた。

だが……

「ちょっと待てっ! イワハシ、その腹はなんだっ!?」

ムトはイワハシの異常なメタボっぷりに、はぐれメタル10匹目を倒したところでやっと気づいた。

確かに意識して見ると、イワハシの腹は「臨月に入ったのですね」というぐらい、大袈裟に膨らんでいる。

「いやぁ、バレちゃいましたかー。実はこれ……コレなんでやんすよ」

と、イワハシは恥ずかしそうにはにかみながら、腹をチラ見せした。

「っ! お前、それってまさかっ……!」

そう。イワハシは――塔の最上階にあった、あのスカイドラゴンの卵を、腹ごとさらしに巻いて、密かに温め始めていたのだ。

「上手く孵化すれば、新たな仲間のモンスターが誕生するかもでやんすよ♪」

イワハシは、聖母・マリアぐらいの愛溢れた眼差しで、卵を優しくなでなでした。
ムト達はイワハシに、ついほっこりとしてしまった。

その隙に、はぐれメタル達は逃げ出した!

「イワハシぃー! てめぇが柄にもないことをするから、はぐれメタル達が逃げちまっただろうがぁっ!」

「そんなぁ。ムトの旦那ぁ、それは言いがかりってヤツでっせ~」

とまぁ、そんなこんながありながらも……ムト達は、はぐれメタルで経験値を稼ぎまくって、レベルをガンガン上げていった。

そしてようやく、プリティー賢者のムトは、レベル20を越えることが出来た。

他の仲間達も、モンスターが思わず逃げ出してしまう程の高いレベルにまで達した。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ