
小さな花
第9章 Rains and hardens
「俺は示してきたつもりだけど?普通、旅行なんて誘わねーよ」
「…。」
「べつに良いんじゃねえの?」
「え?」
「大人なんだし、いろんな付き合いがあるって事だろ。なんで付き合ってもねえのにセックスするの?なんて俺の方が聞きたいわ」
シンくんはそう吐き捨てると背を向けてしまった。
感情が沸き上がって涙が出そうになりながら、彼の背中にしがみつく。
「シンくん…――」
「ん。」
「ごめん」
「べつに謝ってほしくない」
「私……あの……。」
―――――長い沈黙。
痺れを切らしたシンくんがこちらに向き直り、私の両手を拘束した。
「あっ…――」
口内に深く入り込む彼の舌は、こんな状況なのに愛おしかった。
首筋から鎖骨へと滑っていく唇が体の芯を震わせる。
「ぁっんん…――」
「付き合ってねえ奴とこういう事してんのはお前だろ?」
ブラのホックを外され、先端を口に含まれた。
「ひゃぁっん…ち、違う…の…っ」
「何。」
そっけない言葉と裏腹に、シンくんはいやらしく乳房の丘に愛撫した。
「やぁん…っ…はぁ…っ」
「何だよ、ハッキリ言えよ。」
「す、好きなの!…っシンくんが…――」
瞬間、胸元に痛みが走る。
痛いのに嬉しかった。
「最初からそう言え」
私をじっと見つめてそう言うと彼は口づけ、深く舌を沈ませた。
―――――…
