トライアングルパートナー
第16章 今田純子の不安
ゴッドゲーム店長佐々木慎之介はリア・ラブゲームの需要がないことに疑問を抱いていた。1カ月間の使用でも効果がないとクレームを言ってきた小山内慶子のひどいクレームには驚いた。慶子に首をネクタイで締め上げられるという暴挙に慎之介は心を痛めた。と同時に慶子に対し、変な感情が芽生えた。つまり、慶子にほれた。慎之介は一目ぼれを作ってはいても、携帯したことはない。それなのに、慶子にひとめぼれした。慶子を振り向かせるため、急きょ、慶子のヒトメボレアプリのプログラムを改変した。そのせいで、慶子は慎之介に一目ほれした。やってはいけない、改変だったが、自分しか知らないことだ。恋のキューピッドという使命を忘却し、人間を愛してしまった。不慮の事故とも言える。自分のせいではない。慎之介は己の欲望のためにキューピッドになるという信念を曲げた。これがエロMエッサイ無様に知られたら大変なことになると慎之介は恐怖を感じていた。それを誤魔化すため、隠蔽するため、慶子を他の男も愛するようにしようとさらなるプログラムの改変をすることにした。慎之介が泥沼にはまった瞬間だ。
そんなことをゲーム店で一人カウンターの前に立ちながら考えていたとき、エロMエッサイ無様からの声が鳴り響いた。慎之介はカウンターから飛び出すと、ガランとした店内に膝を折ってひれ伏した。ゴツン 額が床に当たり鈍い音を立てた。
「慎之介ちゃんさぁー あれからどうなったのかなぁ? 慶子ちゃんの笑顔は取り戻せるようにしたかなぁ?」
額を床につけていた慎之介は、そのままの姿勢で声を出した。
「ハッハー エロMエッサイ無さまぁー 小山内慶子はすっかり元気を取り戻しました。あの笑顔ならなびかない男はだれ一人といないでしょう。すでに、とびきりの男をひとめぼれさせてからは元気です。ヒトメボレの効果も人間界に順調に浸透し、人類愛は大きく拡散中です」
「ほう、ほう、そうか、順調か? いいねぇー 慶子ちゃんは笑顔を取り戻したかぁー うれしいねぇー」
そんなことをゲーム店で一人カウンターの前に立ちながら考えていたとき、エロMエッサイ無様からの声が鳴り響いた。慎之介はカウンターから飛び出すと、ガランとした店内に膝を折ってひれ伏した。ゴツン 額が床に当たり鈍い音を立てた。
「慎之介ちゃんさぁー あれからどうなったのかなぁ? 慶子ちゃんの笑顔は取り戻せるようにしたかなぁ?」
額を床につけていた慎之介は、そのままの姿勢で声を出した。
「ハッハー エロMエッサイ無さまぁー 小山内慶子はすっかり元気を取り戻しました。あの笑顔ならなびかない男はだれ一人といないでしょう。すでに、とびきりの男をひとめぼれさせてからは元気です。ヒトメボレの効果も人間界に順調に浸透し、人類愛は大きく拡散中です」
「ほう、ほう、そうか、順調か? いいねぇー 慶子ちゃんは笑顔を取り戻したかぁー うれしいねぇー」