トライアングルパートナー
第16章 今田純子の不安
危機管理対策室の机に座っていた純子は立ち上がり、個室のドアまで応接セットの脇を通って歩く。ドアを開けると、手前に、管理対策室対策計画係がある。計画係は対策室にある3係を調整する係で、庶務、諸々の雑用を仕切る係だ。他に2係、災害などの危機をサーチする情報収集を担当する危機収集係がある。あと一つ、災害が発生した場合の危機を解決する機動部隊を指示する正常回復係だ。どの係も係長を含め5人の体制だ。ただし、回復係だけは機動部隊が別に待機している。人数が多いためだ。そのいない係員は、総勢20名が任務に対応できるように、日々、精神的、身体的な訓練をしていた。どの隊員もあらゆる重機の資格を保有した精鋭である。しかし、いつ起こるかわからない災害のために待機することもできないので、街の清掃業務を行っている。いわゆる汚れた街のゴミを処理する任務なのだ。彼らは深夜、だれの目にも止まらず、黙々、粛々と業務を遂行していた。彼らが業務を遂行した後には、吸い殻一つ、髪の毛一本ない完璧な清潔が保持された。