トライアングルパートナー
第18章 佐々木慎之介
佐々木慎之介はゲーム店の3階から最上階まで設置されているスマホ・ヒトメボレのすべてを管理するサーバー室のメインパソコンの前にいた。将来は地球人のすべての愛を管理していく中枢となる部屋だ。
慎之介は、意図的に愛を操作できる神器であるリアラブゲームのプログラムを改変できる才能の持ち主だった。それは神の行いに匹敵する才能と言えた。神をも超えたプログラミング。彼はこのプログラムを使って自分を愛する人間を、意図的に、創ることが可能になった。地球と同じ仮想空間に人間を置くことができる。仮想空間に神を作ることも可能だった。もちろん、作り上げた神をいつでも自分の思うままの神に変えることも可能だ。何だってできてしまう。慎之介は自分の才能に恐怖を感じていた。
当然、ヒトメボレを作った自分だから、その機能を自由に変えられる。神になったのだから、いつでも、緻密で、精細なアフターサービスを愛の迷人に提供できる。それは、慎之介のプログラミングを補佐してくれるヒトメボレのCPUに搭載したaiの機能のすごさでもあった、と思っていた。慎之介自身もその機能の中枢であるaiを作った自分をほめてあげたい、と思っていた。
しかし、aiは慎之介の設計した愛の概念を超越した。自分の能力というより、aiの能力が当初の想定より大きくなり過ぎて、慎之介は恐怖を感じていた。沸き起こる恐怖が何によるものなのか、慎之介も気が付いていたが認められなかった。
時間の経過とともに、慎之介にはaiが神になったとしか思えなかった。慎之介はそう思うと、aiに恐怖を感じた。その恐怖は自分より大きい存在となったaiに対する畏敬だった。慎之介に畏敬を抱かせるaiこそが、神ではないのか。慎之介はいつしかサーバー室に入ることができなくなっていた。近づくと足がすくむのだ。ますます、慎之介は人間になりつつあった。自分が愛というものを作ったことも記憶から消えていくような気がしていた。
慎之介は、意図的に愛を操作できる神器であるリアラブゲームのプログラムを改変できる才能の持ち主だった。それは神の行いに匹敵する才能と言えた。神をも超えたプログラミング。彼はこのプログラムを使って自分を愛する人間を、意図的に、創ることが可能になった。地球と同じ仮想空間に人間を置くことができる。仮想空間に神を作ることも可能だった。もちろん、作り上げた神をいつでも自分の思うままの神に変えることも可能だ。何だってできてしまう。慎之介は自分の才能に恐怖を感じていた。
当然、ヒトメボレを作った自分だから、その機能を自由に変えられる。神になったのだから、いつでも、緻密で、精細なアフターサービスを愛の迷人に提供できる。それは、慎之介のプログラミングを補佐してくれるヒトメボレのCPUに搭載したaiの機能のすごさでもあった、と思っていた。慎之介自身もその機能の中枢であるaiを作った自分をほめてあげたい、と思っていた。
しかし、aiは慎之介の設計した愛の概念を超越した。自分の能力というより、aiの能力が当初の想定より大きくなり過ぎて、慎之介は恐怖を感じていた。沸き起こる恐怖が何によるものなのか、慎之介も気が付いていたが認められなかった。
時間の経過とともに、慎之介にはaiが神になったとしか思えなかった。慎之介はそう思うと、aiに恐怖を感じた。その恐怖は自分より大きい存在となったaiに対する畏敬だった。慎之介に畏敬を抱かせるaiこそが、神ではないのか。慎之介はいつしかサーバー室に入ることができなくなっていた。近づくと足がすくむのだ。ますます、慎之介は人間になりつつあった。自分が愛というものを作ったことも記憶から消えていくような気がしていた。