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　小百合は純子のことを自分のことのように自慢気に話す。すっかり、純子に感化されていると慶子は小百合のよく動く口元を見つめた。大人しかった小百合は変わりつつあることは慶子にも見て取れた。
「へぇー　そうなの？　他には何があるの？」
　慶子の質問に小百合は少し間を開けて考えていた。
「うーん、いろいろよぉー　相手に愛を感じてもらうのだもの、すごいのもあるらしいわ」
「すごいの？　えっ？　何、それ？」
「あたしは一人暮らしの高齢者の家でお話し相手をしたりとか……　ほとんど、おじいちゃん、おばあちゃんとおしゃべりしたりとか、おうちのお掃除とか、料理とか……　まあ、いろいろよ、相手が喜ぶことをしてあげることが基本のわけね……　つまり、相手が喜んでくれることをしてあげるわけ……　つまり、愛で満たしてあげるの」
「そうね、喜ぶことよね、親切にしてくれたらだれでもうれしいわ」
「相手が喜んでくれて、ボランティアをする側もそれで自分が愛で満たされて成長できるから愛のリングができる。
　リングを更に強化する、ハードな愛のリング、ってのがあるらしいの……　愛に大小とか強弱とか、あるのかな？　って、私は疑問だけど。そういう愛を目指す人向けの、いわゆる特殊工作的な奉仕活動、っていうのがあるみたい……　わたしにはハードルが高くて、それをやる勇気？　っていうの？　無限の愛、って言っているらしいけど、わたしにはよく分からない世界だから、活動は考慮中ってわけ」
「そう、分かったわ、わたしも入ってみれば分かることね……」
　小百合からサークルの状況を聞いた慶子は、自分でも活動の事実関係を確認するため、翌日、部室を訪問し入部を考えることにした。社会貢献という理念が自分と合わなければすぐに退散すればいい。慶子は軽い気持ちで、まず、見学してみることにした。
「ねえ、サークル室へ行ってみたいわ」
　慶子が小百合に言う。
「百聞は一見にしかずね」