トライアングルパートナー
第3章 リア・ラブゲーム店
「お客様、これは今のあなたの心の穴を埋めてくれる一品ではないかと思います」
今田進一は気がついたらゲーム店のソフトコーナーに立っていた。昔、喫茶店に置かれたテーブルタイプのゲーム機でインベーダー・ゲームというのをしたことはあった。その後、一切、ゲームをしたことがない。電話機能のみならず、通信機能を駆使し、対戦ゲームアプリなど人気で購入されていることは知っている程度である。だから、ゲームに興味もないのに、ゲーム店に入っていたことに不思議だった。今田進一は何を目的にこの店に入ったのか分からずぼんやり立っていた。すると、20歳台くらいの店員がこちらの動向を伺っていることに気が付いた。その店員が進一の方へ歩いて来た。
「何か、お探しでしょうか?」
店員がにこやかな笑顔を見せながら近づくと質問をしてきた。
「別に、ただ、なんとなく入っただけだからお構いなく、あと、少しだけ見させていただいてから帰ります」
進一は店員にそう言うと、店内を見回した。5メートル四方ほどの小さな店舗である。
「いやァー そんなこと、おっしゃらないで、せっかくご来店いただいたのですから…… どうでしょう、あちらの商品を見ていただいてからでも……と存じます」
そう言った店員の指し示す方角を見ると、広くはない店の中央に何やら輝いて浮き上がるようなショーケースがあった。進一は異様な光を放つガラス張りのショーケースを凝視した。その様子に店員が白い歯を見せほほ笑んだような気がした。
「お客様、やはり…… あちらの商品がお見えになるのですね? お客様はかなりのリア・ラブゲーム通でいらっしゃいますね。あちらの商品は、古の時代に開発されました「ヒトメボレ」という当店売上一番の人気商品のアプリでスマホ本体付でございます。さあ、もっとお近くに寄って、お手にとって商品の素晴らしさをご確認いただければと存じます」
今田進一は気がついたらゲーム店のソフトコーナーに立っていた。昔、喫茶店に置かれたテーブルタイプのゲーム機でインベーダー・ゲームというのをしたことはあった。その後、一切、ゲームをしたことがない。電話機能のみならず、通信機能を駆使し、対戦ゲームアプリなど人気で購入されていることは知っている程度である。だから、ゲームに興味もないのに、ゲーム店に入っていたことに不思議だった。今田進一は何を目的にこの店に入ったのか分からずぼんやり立っていた。すると、20歳台くらいの店員がこちらの動向を伺っていることに気が付いた。その店員が進一の方へ歩いて来た。
「何か、お探しでしょうか?」
店員がにこやかな笑顔を見せながら近づくと質問をしてきた。
「別に、ただ、なんとなく入っただけだからお構いなく、あと、少しだけ見させていただいてから帰ります」
進一は店員にそう言うと、店内を見回した。5メートル四方ほどの小さな店舗である。
「いやァー そんなこと、おっしゃらないで、せっかくご来店いただいたのですから…… どうでしょう、あちらの商品を見ていただいてからでも……と存じます」
そう言った店員の指し示す方角を見ると、広くはない店の中央に何やら輝いて浮き上がるようなショーケースがあった。進一は異様な光を放つガラス張りのショーケースを凝視した。その様子に店員が白い歯を見せほほ笑んだような気がした。
「お客様、やはり…… あちらの商品がお見えになるのですね? お客様はかなりのリア・ラブゲーム通でいらっしゃいますね。あちらの商品は、古の時代に開発されました「ヒトメボレ」という当店売上一番の人気商品のアプリでスマホ本体付でございます。さあ、もっとお近くに寄って、お手にとって商品の素晴らしさをご確認いただければと存じます」