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トライアングルパートナー

第2章 管理職昇任試験

 純子は今、進一のそばにいない。
「純子、きょうも残業か…… 大変だなぁ…… 俺、係長で良かったなぁ…… こうやって定時で帰れる…… 彼女に負けていられないなぁー いや、勝ち負けじゃないなぁー 心が卑屈になってるよ、俺、嫌になる」
 進一は独りでつぶやくとまた気分を紛らわすために、夜の町へ出た。年末のボーナス商戦で、賑々しく光る街のネオンが進一の心に冷たく写った。そして、いつの間にかぶらついているうちに、ゲーム店の売り場に立っていた。

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