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トライアングルパートナー

第8章 二人だけの執務室

「えぇえっ、どういうこと?」
「係長さん、ゲームの説明を聞いていないのですか? では、これからあたしが詳しく説明しますから会議室へ行きましょう」
 慶子がしびれを切らしたように清水との会話を遮って入ってきた。
「そうしてください。わたしは食堂へ行きますので」
 そう話す清水の隣には同じ係員の高橋こづえが立っていた。
「いいなぁ、慶子さんの手作り弁当かぁ、あたしも作りたいけど料理は無理かな?」
「あたし、料理教室へ行ってるおかげなんですよ。それまで、全くダメでした」
 慶子が弁当を胸の前に持ち上げて言う。
「そうなの? あたしも行こうかな、今度、教室のこと、教えてね」
 進一は二人の会話を聞いて、ますます、不安が増してきた。手弁当を一緒に食べるのはきょうだけと言ってるだろ? 進一は心中で思う。これからどうなってしまうのか? 進一の脳内に不安が増殖する。

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