『トライアングルパートナー』第10章「転落から悟りへ」　62ページ

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トライアングルパートナー

第10章転落から悟りへ

　8ピッドは暗闇の世界でひたすら思考をした。時間のない空間、無限の愛、分からないことをエロＭエッサイ無から疑問を提示された彼は、さらに混とんとする思考にはまっていく。何十年も考えた。いや、まだ、一時間か？　この暗闇の世界では、エロＭエッサイ無が言うように時間は存在しなかった。
　彼はどれだけ時間が経過したかも分からない世界で希望の光が見つけられるのか？　それともどこにあるかもしれない光に向かうのが近道か？　希望の光は必ずあるものと思えとエロＭエッサイ無様はおっしゃっていた。それを今は信じよう。時間のないこの世界ではそう思わないと生きられないようだ」
　彼は暗闇の世界でもがき苦しんだ。苦しみは永遠に続くのか。時間がないから永遠という概念はない。光はいつになったら現れるのか、分からない。そんな永久に続くかもしれない疑問の繰り返しが何度となく繰り返されていく。繰り返されていても、時間の概念がない空間。時間が経過しても、時間が経過したという経過のない空間。全くの闇の世界だ。
「あっ、あれは光か？　闇の中に、一つの光がともった。その光から少しだけ離れた空間に、別の光がともった。光は少しずつ、距離を狭めていく。光は重なり、光が大きく輝いた」
　彼は見えている光景を言葉にしていた。それは自分に言い聞かせることでもあった。闇の世界では自分すら存在するのか分からなくなる。
「あの光は愛か？　希望は愛か？」
　その後も、いくつも光が生まれては一つになっていくことを繰り返す。その光景を8ピッドは見つめていた。
　彼は何度も繰り返される光と光の融合を見た。どれだけその繰り返される融合を見続けただろうか。彼はどのくらいの時間、その融合を見ていたか。この空間には時間の概念がない。見ていた時間は一瞬かもしれなかった。