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　慶子は慎之助の言葉をさえぎるように、自分の口を彼の口に重ねた。
「あたし、分かったわ。今まで、近寄ってくる男性はたくさんいたけど、自分から近づく人はいなかったの。あんたで分かったの。いい、あたしが好きになったんだから、あんたもずっとあたしのことを好きでいてね」
「きみに言われなくても僕はきみが好きみたいだ」
「じゃ、今からラブゲームの開始ね。さっきも聞いたけど、どんなことをするの？」
「さあ？　ヒトメボレが導いてくれるからね、僕には分からないけど、あれをみんなするのかな？」
「そうなの？　慎之助も人間みたいにできるの？」
「だから、呼び捨てにしないでくれる？」
「ふふふ、慎之助さ、あたし、あんたのこと、いっぱいいじめてあげるよ。胸がワクワクして、ここがトックントックンしてきたわ」
　慶子は自分の胸を両手で包んだ。
「今にも爆発しそうよ」
　そう言った慶子は、握っていた慎之助のネクタイを勢いよく引っ張った。
「うぅわぁー　首を絞めるの止めてくれぇー」
「まだまだよ、慎之助の苦しそうな顔、かわいすぎーー」
　神見習いの修行を真面目にしてきた慎之助は、可愛い女性からいじめられることに心地よさを感じてしまった瞬間である。ラブ･ゲームのAI（人工愛情）機能が働きプログラムの構築を開始し、愛の原子を放出し始めた。