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　慶子は純子に促されるままに進一の前に進んでいった。進一の前に来ると純子は慶子にささやく。
「さあ、ひざまずいて……」
　純子は慶子をひざまずかせると、純子は慶子の腕を離し、進一の横に移動すると、進一の体を慶子に向けさせた。
「こんな会議室であなたのものを食べてるなんて、あたしたちって、そうとうな美食家かしら？」
　進一は純子にいつものようにあがなえない。それでも、なんとか言葉を発した。
「いけないよ、だめだよ、こんなことをしたら、ぼくたちはおしまいだよ……　こんな純子、だめだよ」
　あわてる進一を見て純子は満足そうに言った。すでに、お弁当を食べていた純子は存在せず、完全な潤子の人格だった。
「そうね、ここは会議室だから、ドアに鍵がかからないものね。だれかがドアを開けたら……　きっと、びっくりするわねぇー」
　純子の言葉を聞いて、進一の足が震えていた。この震えが、進一には、破綻するという恐怖なのか、これから感じる官能の期待か、分からなかった。