ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第1章 【私、TL漫画家です】
ずっと真剣な顔で鍵山さんは私と向き合っている。
「すまん、動揺した」
「え?何がですか?」
「この前……まさかアシスタント以外で男が家に居るとは思わなかったから……帰ってる時間帯なのに鉢合わせして俺なりに焦った」
「あぁ、すみません、本当は来るはずなかったんですけどあの日は偶然…」
「偶然でも何でも良いけど、タカラアキとして今が一番大事な時だってわかってるよな?」
「はい!もっともっと良い作品生み出したいです」
「だったらその、フラフラすんな」
「え?すみません、フラフラしてました?」
「悠……」
初めて本名で呼ばれて衝撃が走った。
「非常に申し訳にくいのだが、俺は担当者でありながらタカラアキの才能に惚れると共に高峰悠にも惚れてるみたいだ…」
身体がフリーズして動けない。
「え…?」と言う頃には唇が重なっていた。
まだ鍵山さん、靴すら脱いでないのに。
壁に押し倒されてる。
優しく啄まれた後に入ってきた舌。
え、ヤバい………気持ち良い……大人のキス。
私がする貪るだけのキスなんかじゃない。
肩から降りていく大きな手。
動けない私の手に指を絡ませてきた。
歯の裏まで隈なく口内を堪能されて長いキスが終わった。
「揺れてるなら俺にしとけ」
えっと……章介と元サヤになろうか私が揺れてるとでも勘違いしてるのかな。
どうしよう、好きって言われてなくてもこれは告白と受け取るべきだろうか。
「悠……2人きりの時は俺もそう呼ぶけど良いか?」
「は、はい……」
声、上擦った……恥ずかしい。
優しく笑うんだ、鍵山さんって。
意外な角度からキュンときた。
頬に触れて撫でてくる仕草。
「可愛いな、作品だとすげぇ痴女なのに原作者はこんなオズオズしてんのな?」
「あ………それ、言わないでください」
恥ずかしくて俯いたらまた「悠」って呼ぶから顔上げたらやっぱりキスされた。
次は最初から濃厚な…激しいキス。
絡ませてた指離して私から首に手を回したの。
こんな野獣みたいなキス、濡れないわけがない。