ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第1章 【私、TL漫画家です】
あれこれ世話しながら作品の仕上げも加わってくれるからもう手放せない2人なの。
何処よりも高い給料払うから本当専属になってって口説いてるところだ。
「でもアキ先生、急にスイッチ入ったら私たちでは対処しかねます」っていつも上手く交わされる。
え、何がダメなの?
おそらく私は作品憑依型なんだと思う。
その役になりきっちゃう。
千景ちゃんが言ってるのはきっと月に3本ほど連載抱えてた頃の事だろう。
そのうちの1本がGL作品だった。
女同士のセックスなんて何本もAVや動画を観たけどいまいちピンとこなくて。
勿論2人きりの時で合意の上…だったはずなんだけど私があまりにも濃厚で大胆過ぎた為に途中でギブアップさせてしまうような事があったわね。
まさかここまでストイックに探究するとは思わなかったみたいで怖がらせてしまった過去が。
ひとつひとつの行為のたびに写真撮って、それを観ながら絵に興していくんだから作業中もずっとトレースしながら描くので裸体晒されるわけだしきっとたまったもんじゃなかっただろうね。
ごめんね、憑依してる時は何言っても聞き分けなくて。
専属になったら何されるかわかんないから渋ってんのかね。
いつも蓮くんだって千景ちゃんだって出来上がった私の作品見直す時は溜め息ついて褒め倒してくれるくせにさ。
4K液晶ペンタブの32インチだからめちゃくちゃ描きやすい。
その周りにも3つ液晶タブレットが置いてあって私の白いデスクはそれでほぼ占領されている。
本当は2つの部屋だったのを仕切りなくして大部屋にしたのを作業部屋にした。
壁側に座った私のデスク前にアシスタント2人のデスクが並んでる。
壁を囲うように本棚が並ぶ。
いつの間にか置かれていた観葉植物は目の保養に…と千景ちゃんチョイスでした。
千景ちゃんは最初から私のファンだったみたいで初対面の時から恥ずかしそうにしていた。
でもいざ仕事させてみるとびっくりするくらい正確で即採用。
「ごめんね、こんな私で、幻滅した?」
「そ、そんな事ないです!好きです!」
顔真っ赤にして私の今までの作品の何処が感動したのか事細かく説明し出した時の千景ちゃんはこの私が止められないほど凄まじかった。