ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第2章 【それぞれの葛藤】
「いや、ドヤ顔で言われても何も響かないからね?私らは1回別れてるの、復縁はない、1000%ないの」
「うん、想定内」
「あぁ、そう」
「イライラしてるでしょ?でもそのイライラは離婚決めた時のイライラじゃない、きっと変わってきてるよ俺たち」
何が!?どうしたらその思考になるわけ!?
イライラさせてるのはそっちなのに。
それも想定内とか言われそうで反論するのをやめた。
ベットに戻って私からキスをして舌を絡ませる。
勿論、同意したキスではない。
「私は今まで通り身体だけの関係で充分満たされてるから……新しい子が出来るまでの繋ぎで良いよ?章介にはもっと幸せにしてくれる良い人がきっと見つかるよ、残念ながらそれは私じゃない、ごめんね、私が惚れてるのは章介の身体だけ」
いつからそんな悲しい目を出来るようになったの?
一緒に住んでた頃は見向きもしなかったのに。
離れてから気付いたって遅過ぎるのよ。
壊れたモノは簡単には戻らない。
あなたと恋愛する気は二度と起こらない。
「わかったら帰って?」
「待機してたら良いの?」
背中を向けたまま冷たい言葉だけが口をついて出る。
「また連絡する……けど変な期待はしないで」
「わかった、変な期待はしないようにするけど、変な遠慮して連絡渋るのだけはやめてね?後、鍵山って男にも逃げないで?絶対俺を選んで」
「………わかった」
それだけ答えると静かに出ていった。
無音になった部屋で一人。
恋愛に対しては本当に不適合者な自分に吐きそうになる。
もう、わからないの。
また二次元に逃げちゃいそう。
二次元でも苦しい恋愛しか描けてないけど。
ほんの数分前まで章介に抱かれていた身体を抱き締めるしか出来ない自分。
あんなセリフ……どう返すのが正解だったの?
本当は失いたくないはずなのに。
「わかった、もう会わない」って言われてしまったら?
もしかしたら暫くは………
ううん、きっともう二度とペンを握れなくなるかも知れない。
恋愛なんて懲り懲り…とか言いながらもう恋愛してたのかもね。
イヤ……認めたくない。
違う……勘違い。
身体が疼いただけ。