ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第4章 【本音と建前】
今にも泣き出しそうな顔で「ごめんなさい」と肩に頭を乗っけてきた。
溜め息混じりに「凄く嫉妬してます」って言うの反則じゃない?
心臓鷲掴みされた気分。
「嫉妬…?章介に…?」
「章介っていうんですか?あの人」
ムクッと起き上がった顔は普通に真顔。
「うん……元、旦那さん」
「え?離婚…したんですよね?今日みたいに度々会いに来る関係なんですか?」
ほら、怒り出した。
あまり言いたくはない話だから避けてたのにバッタリ遭遇しちゃうんだもんな。
ヤらなきゃ帰らない勢いだったし。
本当は2人が来る前にとっとと帰したかったんだけど。
無理やりヤった結果、賢者タイムが長過ぎた。
「うーん……結婚してた時期よりかは今の関係の方が良くは…あるかな?ってわかんないよね、そんな感覚」
あぁ、誤魔化そうとしても無理っぽい。
純粋だなぁ、揉まれてない原石はこういう時ちょっと扱いづらいけど真っ直ぐ向いてくれるひたむきさには敵わなかったりする。
「悠さん……単刀直入に聞いても良いですか?」
「……うん」
「セックス…したんですか?その、章介って人と」
「単刀直入過ぎるね?びっくりした、ハハハ」
これはもう逃げられないヤツ。
傷付くのわかってて踏み込んで来たのね。
そうだよ…って言ったらどんな顔するの?
不貞腐れて帰る?
此処、辞めちゃう?
タカラアキに幻滅しちゃうんだろうな。
「僕じゃダメなんですか?僕じゃ満足出来ずに他に行っちゃうんですか?」
「え?え?え?何で泣くの?」
ポロポロと零れ落ちる涙に動揺してしまう。
ギュッと力強く抱き締められて拭ってやることも出来ないよ。
肩に染みてく涙の跡。
「結婚しよって言ってくれたじゃないですか……冗談ですか?遊び?うぅ…っ」
「ちょ、ちょ、蓮くん?」
「僕だって好きにならないようずっと気張ってたんですよ?アシスタント出来てるだけで充分幸せなんだって……近くで見れてるだけで心臓爆発しそうで……弄ばれてるってわかってたけどいつもヤバかった……でもこの前ひとつになれて……ウグッ……んっ……」