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第1章 0

責任、だけを吐き残して、彼の動きが早くなる。射精欲が近いのか、雄として種を残せと本能ががなりたてているのか。どちらかは分からないけれど、ただひとつ分かるのは気持ちよすぎてどこかに飛んでしまいそうということ。

「好き、好き、好き」

突かれる度に喘ぎ声と共にダダ漏れになる言葉。彼は泣きそうなそれでいて気持ちよさそうな声で僕も、僕も好き、と答えてくれていた。

甘さだけで蕩けそうになるのに、何か自分でも分からない不安でこぼれ落ちそうになる。

「んんっ♡んぉ♡♡もっと♡♡」

不安を吹き飛ばして、何も考えられなくさせて、このまま……。

思わず彼の手を掴んで自分の首に当ててしまう。彼は、ギョッとした顔で私を見るけど、私があまりにも恍惚で快楽だけに溺れてる顔だったのか、そのままゆっくりと押し当てる。

苦しさと痛みが一瞬襲うのに、快楽が強すぎてそれすらも気持ちよさに変わってしまう。

怖い、怖い、怖い、でも、気持ちいい……。

「ぼんさん……ぼんさん……」

やわやわと絞められながら私が声をかけると、手を離す彼。

足りない、怖い、足りない。

「ももちゃん、出す、ごめん、出すっ♡」

首から肩に手を置かれて我慢できなくなるくらいの速さで突かれて。

お互いに抱き合いながら愛の言葉を叫んでいるのに、脳内は快感を求めてる。


腟内で精液が放たれたのを感じて、甘い叫びを上げてしまう。

彼はそのまま抜かずにやわくなったそれを留めていた。

「ももちゃん……」

低い声、普段話してる彼の声とは違う。雄としての声……。

「こんなの、もう、ダメだよ……」

絞り出すように静かに咎められて。

「自分を大切にしないとダメ……」

それでも、彼は私を抱きしめる手を離さない。

その咎めた言葉は、中に出させたことか、首を絞めさせたことか、どちらかは分からなかった。

ただ、ひとつ分かるのは身体が凄く重だるいことだけだった。

翌日

私と彼は都内の産婦人科にいた。アフターピルを貰うために。

彼は何も話さなくて、でも、手だけはしっかりと繋いでくれていた。

帰り道、家の近くになりかかった頃に、ぽそりと

「ごめんね」


と謝られた。

私はその言葉に足を止めてしまった。

「謝らなくて……いいんです」

欲したのは私だから


謝らなきゃいけないのは私なのに。

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