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能里子見聞録

第2章 温泉旅行

 能里子と男の人は脱衣所では黙々と浴衣を着たそうよ。

 そして、別々に出たんですって。

 だから、彼がどこの部屋の人かは知らないんだって。
 
 それと、思い返したら、口もきいていなかったんだって。

「セックスをしただけだったわねぇ」だって!


 翌朝、朝食で大広間に行ったら、昨日の彼がいたんだって。

 奥様と二人のまだ幼稚園生くらいの女の子が一緒だった。

 奥様、能里子より小柄だったんですって。

「あんな小柄な奥様に、良く彼のおちんぽが挿るものねぇ……」

 能里子ったら、変な感心の仕方をしていたわ。


 とまあ、これが知り合いの能里子から聞いた話なんです。

 それからの能里子は旦那様一筋だし、お子様にも良き母親でもあるし。

 ひょっとしたら、能里子が夢でも見たのかもしれませんね。

 でも、こんな話を聞いちゃうと、深夜の温泉って、興味でちゃいますよね。今度行ってみようかしら…… 

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