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オトリ捜査

第4章 辞令

榊原彩は、埼玉県警刑事部、第三課所属だが、配属されてまだ1ヶ月も経っていない。そんな中、警視庁で研修を受けたのは、先週だ。そして本日、課長より辞令が公布された。

移動先は、警視庁生活安全部だ。本来埼玉県の地方公務員である彩は、埼玉県警内部での移動が当然であるが、警視庁に移動とはどういう訳か?警視庁は東京である。課長は疑問に思っていた。

課長は、彩を呼び出し辞令を公布後、聞いた。

「研修で何かあったのか?警視庁に移動とは……。これが君にとって良いことなのか悪いことなのかは、私には分からんが、一応事前に君は了承しているそうじゃないか。納得済みなら問題はないんだが、珍しい人事ではあるな~。」

と言った。彩は、

「研修の時に、警視庁の生活安全部の女性警察官が不足しているというお話がありました。出来ればこの研修に参加した女性警察官から即戦力として来て欲しいとのお話があり、私は、そのお話を受けました。」

彩のところには、移動のことで質問を受けた場合には、誰に対してもこのように回答するようにと、連絡を、警視庁の担当者から事前に受けていた。

課長は、

「君がそれで良いのなら、まー、私も何か言うつもりはない!短い間だったが、新天地でも頑張ってくれたまえ!」

と言った。彩は、

「お世話になりました!頑張ります!」

と言った。課長は、

「これが君の今後のスケジュールだ。それと、これが、適性検査の合否判定だ!」

と言って、用紙を渡された。彩は、ドキッとして、

「え?」

っと声が漏れてしまった。課長は、

「やったんだろ!適性検査!」

と言った。彩は、

「は、はい!適性検査は……しましたけど……。」

動揺が表に出てしまい、声も小さくなった。課長は、続けて、

「警察の適性検査なんてものは、形式的なものだからな!採用試験の時にやったものの反復みたいなもんだ!スケジュール見てもらうと分かると思うが、もう来週から警視庁勤務になる。お別れだ!頑張ってくれたまえ!」

と、言った。彩は、「ビックリさせないでよ!極秘資料、課長が見てしまったと思ったじゃない!」

もらった適性検査の合否判定には、ただ単に、「適性検査の結果合格とする」とだけ、書かれていた。







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