『オトリ捜査』第6章「警視庁生活安全課」　24ページ

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オトリ捜査

第6章警視庁生活安全課

彩は、出勤前は職場環境が変わるため緊張していたが、電車内での出来事から続けてトイレで自分でしたことで、緊張が和らぎ、スッキリとした気持ちで初めての職場に向かうことができた。

新しく同じように生活安全課に配属になったのは、彩を含めて３人だった。

あれだけいた候補者の中から、たった３人…。

彩は、「特殊な任務なので当たり前かもしれないわね！」と思った。そして見覚えのある人物もいた。研修の時私の世話をしてくれた石崎だ。なぜ石崎がここにいるのか気になった。「あの人は、候補者ではなかったはず…。」

朝礼で彩を含め３人は、当たり障りのない挨拶をした。これから1ヶ月は生活安全課の業務を覚えるために、通常業務に徹し、その後特殊班として生活安全課に所属しながら、他の人とは一線を確して別行動を取ることになる。他の人は、彩達の任務を知らないはずだ。

おそらく事情をよく知っているであろう石崎が一緒にいることは、彩にとっては心強かった。