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オトリ捜査

第1章 研修

彩は、本日警視庁に来ている。刑事の新人研修に参加するためだ。

参加人数は、全国から集まったにも関わらずたった30人。新人とはいえ既に警察官としては何年も勤務している人ばかりなので、年齢は30歳前後が大半だと思われる。

そういう彩も現在29歳。大学を卒業してから男には負けまいと今まで頑張り、やっと念願の刑事部に配属されたのだ。

研修は2日間にわたり行われたが、特に興味深い内容ではなかった。しかし彩は、この研修で1つだけ思うことがあった。

「美人が多いわ!刑事部ってこんなに美人しかいないのかしら?」

これが彩のこの研修での感想だ。

比較的細身で、スタイルもいい人ばかりだ。彩は、

「さしずめ、ミス女性警察官コンテストと言ったところかしら!」

と思った。

そういう彩も身長168cmと女性としては長身で、バストがDカップという自他共に認めるいい女なのである。髪は動きやすいようショートボブにし、気は強いがかわいいという雰囲気が漂っている。

2日間の日程もあっという間に終わり、最後に指導員から連絡があった。

「皆さん、2日間研修お疲れさまでした。最後に少しだけ一人ずつお時間をいただきたいと思いますので、受付で指示を受けてください。それでは、大変お疲れさまでした!」

指導員の連絡が終ると、警察官ならではの、号令がかかる。

「起立!礼!直れ!解散!」

「お疲れさまでした!」

女性警察官達は一斉に声を上げると、それぞれ一緒に研修した仲間に挨拶をして受付へと向かった。

受付では、番号札を渡され、その番号の個室に担当の女性警察官に案内された。6畳ほどの部屋に椅子が1つだけ置かれている。横を見ると男性の警察官が一人立っている。40歳くらいだろうか。なかなかのイケメンだ。

その男性警察官が椅子に座るよう促した。そして

「埼玉県警刑事部所属の榊原彩巡査部長ですね?」

と、確認した。

彩は、

「はい!」

と答えると、男性警察官は、

「これから話すことは、世間一般はおろか、警察官内部でも極秘事項となっており他言無用にお願いします。まずは、誓約書にサインをお願い致します。」

と、言った。

あまりに唐突で、彩は、ただならぬ事態に緊張を隠せなかった。





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