艶的日本昔話
第1章 浦島太郎
太郎が布団をめくり上げた時、姫の左右に開かれた脚の付け根辺りに、四つの白い寒天で出来たような玉を見つけた。
「太郎様、これにあなたの精をおかけ下さいませ!」
姫の言葉に太郎は驚いて畳の上に尻餅をついた。
「これって、これって……」
身も心も一辺に萎えてしまった。
「私は魚を統べる乙姫。子作りも当然、魚と同じです。さ、早く精を。さもなければこの卵達は死んでしまいます!」
「これって、これって……」
阿呆の様に太郎が繰り返しているうちに、卵の色が黒くなり、見た目にも堅くなってしまった。
「ああ、死んでしまった。死んでしまった……」
姫は卵を抱きかかえ泣き出した。しばらくして泣き止むと、目尻を吊り上げた凄い形相で太郎を睨み付けた。
「衛兵!」
姫は大声で叫んだ。
どこからともなく青黒い鎧を着込んだ見上げるばかりの大男が現れ、姫の前にかしずいた。
「お呼びでしょうか……」
低い声で衛兵は言った。姫は太郎を指差した。
「この者を今すぐ処分しておしまい!」
「かしこまりました……」
衛兵は立ち上がり、太郎の方を向いた。
その姿はたちまち巨大な鮫となり、太郎を頭からバリバリバリと三口で食べてしまった。
おしまい
「太郎様、これにあなたの精をおかけ下さいませ!」
姫の言葉に太郎は驚いて畳の上に尻餅をついた。
「これって、これって……」
身も心も一辺に萎えてしまった。
「私は魚を統べる乙姫。子作りも当然、魚と同じです。さ、早く精を。さもなければこの卵達は死んでしまいます!」
「これって、これって……」
阿呆の様に太郎が繰り返しているうちに、卵の色が黒くなり、見た目にも堅くなってしまった。
「ああ、死んでしまった。死んでしまった……」
姫は卵を抱きかかえ泣き出した。しばらくして泣き止むと、目尻を吊り上げた凄い形相で太郎を睨み付けた。
「衛兵!」
姫は大声で叫んだ。
どこからともなく青黒い鎧を着込んだ見上げるばかりの大男が現れ、姫の前にかしずいた。
「お呼びでしょうか……」
低い声で衛兵は言った。姫は太郎を指差した。
「この者を今すぐ処分しておしまい!」
「かしこまりました……」
衛兵は立ち上がり、太郎の方を向いた。
その姿はたちまち巨大な鮫となり、太郎を頭からバリバリバリと三口で食べてしまった。
おしまい