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墓守は眠らない

第1章 三日月の章

 固い! 手応えがない。
 何度も力を入れるが抜けない。


「霧島くん、まだなの!?」

「今、やってる! でも抜けないんだ!」


 やはり無理なのか。
 自分にその資格はないのか?
 だがしかし、このままでは全滅してしまう!


「きゃあっ!」


 鈴音が悲鳴をあげる。
 結界を打ち破られて、今まさに化け物に襲われそうになっていた。


「宗継、頼む! あんたの力を、俺に貸してくれ──っ!!」


 その時だった。
 巨木と刀の隙間からまばゆい光が溢れ、あんなにびくともしなかった刀がスルリと抜けた。


「!!」


 おかっぱ頭の少女が何か言ったような気がしたが、それどころではない。
 虎太郎は刀を両手で持つと、雄叫びをあげながら化け物に斬りかかった。


 ギャアアアアッ!!


 耳をつんざくような化け物の悲鳴が辺りに響く。手応えはあった。更に何度も斬りつける。




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