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デーモンハント

第2章 デーモンハントの仕事

エルザは鋭い爪を向けて飛び込んで来たインプを、大鎌で切り裂く。
何匹ものインプが右から、左からと飛び掛かるが、それをエルザは容易く切り落としていった。

最後の一体を一刀両断にして、エルザは微笑む。

「楽勝、さてと、ここのボスはどの部屋にいるかしら?」

エルザはそう言うと、廊下を歩き出す。
かつん、かつん、と、靴の踵が音を立てる。
その後方で、ソレルはくんくんと周囲の匂いを嗅いだ。

「見つけました、その部屋です」

ソレルが言って指し示したドアの前に、エルザは向かう。
ドアの前に立った瞬間、ドアが歪み、エルザの方へと物凄い勢いで吹き飛ぶ。
紙一重の所でエルザは飛んできたドアを回避した。
吹っ飛んだドアは壁にぶつかり、壁に大きな傷を作る。

あと少し、反応が遅れていたのなら大怪我をしていただろう。
もしかしたら、死んでいたかも知れない。

エルザは険しい表情で部屋に入ると、大きなベッドの上に座っている男がいた。
奴が討伐対象の悪魔で間違い無いだろう。
爬虫類のような顔をした悪魔の額には三つめの目があり、手の甲にはびっしりと鱗が生えている。
悪魔の近くには首の無い裸の女性の死体が四体転がっていた。

「あんたがここの親玉?」

エルザが聞くと、悪魔は紫色の長い舌をくねらせながら笑う。

「何だ、屈強なデーモンハントが来ると思っていたが、まだ小娘じゃないか」

悪魔が言うと、エルザはくすりと笑った。

「小娘で悪かったわね」

そう言ってエルザは鎌を握り直す。

「うまそうな小娘だ、お前も快楽の中で殺してやるよ」

悪魔はそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。

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