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男はエルザが目覚めている事を確認すると、口元に笑みを浮かべる。
エルザは掛け布団で体を隠しながら、男を見つめた。

「目覚めましたね、お嬢さん、では早速儀式を始めましょう」

男はそう言うと、牢屋の鍵を開けてドアを開ける。
エルザはベッドの上で壁際まで後退し、壁に背中をぴたりとつけた。

儀式とは何か、この男は何者なのか、自分は一体どうなってしまうのか。
恐ろしくてエルザの心臓がドクドクと音を上げる。

「さぁ、行きましょう」

男はエルザに近付き、手をパンパンと鳴らした。
するとエルザを拘束していた手枷が消える。

「あ、あなた何なの？パパとママを殺したのはあなたなの？一体何の目的で……！」

叫ぶようにエルザが言葉をぶつけると、男は深く被った帽子を外した。
男の額には、角があり、目はまるで肉食の獣のように光っている。

「そうですね、答えて差し上げましょう」

男は言って、ベッドに腰を掛けた。

「まず、私は悪魔です、この城の主である偉大な方に仕えております」

男は帽子を被り直しながら、エルザの方を向く。

「次に、私が貴女のご両親を殺害しました」

それを聞いたエルザは震えながらも男を睨んだ。
男はそれを全く気にせず、言葉を続ける。

「そして、ご両親を殺した目的は貴女です、お嬢さん」

男はニタリと笑う。
口の中に鋭い牙が覗いた。

「アタシ？」

エルザが呟くと、男は頷く。

「貴女のお母様、ライザさんは元々偉大な方の性奴隷でしてね、ちょっとした手違いで逃がしてしまったのですよ……年をとり、子供を産んだ彼女はもう、性奴隷としての価値が無い、だから代わりに貴女を捕まえました。新たな性奴隷として」

言い終えて、男は肩を揺らして笑う。
性奴隷と聞いて、エルザの頭は真っ白になった。