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悲惨な事件の日から一週間。
エルザとソレルはのんびりと買い物をしていた。
紙の袋いっぱいの野菜と、肉の塊を持つソレルは、隣を歩くエルザに視線を向ける。

エルザはロリポップを咥えながら、大きめな紙袋を持っていた。

「いいんですか？エルザ？」

ソレルに聞かれ、エルザは「何が？」と返す。

「あの娘さんの事です、ウチで引き取るなんていいんですか？デーモンハントの本部に引き渡した方が、彼女のためにもなると思うのですが」

ソレルに言われたエルザは、アメをがりっと噛み砕く。

「その彼女が拒否してるんだから、仕方ないでしょ。あの子はアタシといる事を選んだ……だからアタシはあの子を引き取っただけ」

エルザが強い言葉で返し、ひとつのアパートへと入る。
そのエルザに、ソレルはため息をついて続いた。

「自分と重ねてます？」

ソレルが言う。
エルザは。

「かもね」

と返した。

エルザは、アパートの一室のドアを開ける。
すると部屋の中から人が走って来る足音がして、その人物は帰ってきたエルザに飛び付いた。

「お帰りなさい、エルザ！」

赤く長い髪の少女は、嬉しそうにエルザを抱き締める。

「ただいま、シフォン」

エルザが優しく返し、少女、シフォンの頭を撫でる。
ソレルはそんな二人の横を抜けて、室内へと入っていった。

「どこまで行ってたの？」

シフォンに聞かれ、エルザは自分が持つ紙袋を持ち上げた。

「服を買いにね、シフォンの。いつまでもアタシの服ってわけにいかないでしょ」

そう言われ、シフォンはぱぁっと笑顔になる。

「ありがとう！エルザ！」
「さぁ、中に入って、今夜は仕事だから、早めにご飯にするよ」

エルザに言われ、シフォンの表情が曇る。

「今夜、お仕事なの？」

シフォンが寂しそうにきく。
エルザはシフォンの肩を抱いて、室内へと入る。

「そ、悪魔の情報があってね、ま、すぐ終わらせて帰るから」

シフォンの背中をぽんと叩き、エルザは服の入った紙袋をシフォンに手渡した。

「うん、わかった」

シフォンは納得し、頷いた。