デーモンハント
第5章 傷
エルザは腰に手を置いて、苦笑いをした。
「襲って来たりしないから、そんなに身構えなくて大丈夫よ」
エルザが言うと、女性は振り向き、不安そうな顔になる。
「でも、悪魔ですよ?急に裏切るかも……」
女性が震える声で言ったのを聞いて、ソレルはふにゃりと笑う。
「俺はエルザの下僕です、デーモンハントがエルザを裏切らない限り、裏切ったりしませんよ」
優しい声で言ったソレルだったが、女性は小さく悲鳴をあげる。
「そんな、じゃあ、裏切るパターンもあるって事じゃないですか!恐ろしいですー!」
女性は今にも泣きだしそうな声で言った。
エルザとソレルは顔を見合せ、困った表情で怯える女性の方に顔を向ける。
「あー、じゃあアタシ達はもう行くね、お疲れ様、有難う」
ここで話をしていてもどうにもならないと判断したエルザが言うと、女性はへっぴり腰になりながら頭を下げた。
「お気を付けて、明日もご無事でいてください!」
女性に言われ、エルザは驚く。
『明日も無事で』などと、言われた事がなかった。
(確かに……この仕事は、明日も生きてるって保障は無いのよね)
そう思い、女性の気遣いに微笑む。
「最後に聞かせて、アナタの名前は?」
エルザが聞くと、女性は顔を上げ、姿勢を正す。
「私、情報部のミファです」
メガネの奥にある、緑色の瞳でエルザを真っ直ぐに見ながら名乗ると、ミファは軽く頭を下げた。
「情報部?ってことは、いつもアタシ達のために悪魔の情報を集めている所よね、いつも有難う」
エルザが言うと、ミファの顔がかっと赤くなり、ミファは下を向いてしまう。
「いえ、あの、私達こそ、戦えない私達に代わってお仕事して頂いて、有難うございます!」
ミファに言われ、エルザは微笑む。
こんな風に、デーモンハント関係者に感謝される事など、普段は無い。
デーモンハント関係者は大概、エルザ達のように前線で戦うハンターを使い捨て程度にしか考えていない。
ケイシーのように例外もあるが、多くの関係者がハンターの命を軽く見ている。
そのため、ミファのような人がいるという事実が、少し嬉しかった。
「襲って来たりしないから、そんなに身構えなくて大丈夫よ」
エルザが言うと、女性は振り向き、不安そうな顔になる。
「でも、悪魔ですよ?急に裏切るかも……」
女性が震える声で言ったのを聞いて、ソレルはふにゃりと笑う。
「俺はエルザの下僕です、デーモンハントがエルザを裏切らない限り、裏切ったりしませんよ」
優しい声で言ったソレルだったが、女性は小さく悲鳴をあげる。
「そんな、じゃあ、裏切るパターンもあるって事じゃないですか!恐ろしいですー!」
女性は今にも泣きだしそうな声で言った。
エルザとソレルは顔を見合せ、困った表情で怯える女性の方に顔を向ける。
「あー、じゃあアタシ達はもう行くね、お疲れ様、有難う」
ここで話をしていてもどうにもならないと判断したエルザが言うと、女性はへっぴり腰になりながら頭を下げた。
「お気を付けて、明日もご無事でいてください!」
女性に言われ、エルザは驚く。
『明日も無事で』などと、言われた事がなかった。
(確かに……この仕事は、明日も生きてるって保障は無いのよね)
そう思い、女性の気遣いに微笑む。
「最後に聞かせて、アナタの名前は?」
エルザが聞くと、女性は顔を上げ、姿勢を正す。
「私、情報部のミファです」
メガネの奥にある、緑色の瞳でエルザを真っ直ぐに見ながら名乗ると、ミファは軽く頭を下げた。
「情報部?ってことは、いつもアタシ達のために悪魔の情報を集めている所よね、いつも有難う」
エルザが言うと、ミファの顔がかっと赤くなり、ミファは下を向いてしまう。
「いえ、あの、私達こそ、戦えない私達に代わってお仕事して頂いて、有難うございます!」
ミファに言われ、エルザは微笑む。
こんな風に、デーモンハント関係者に感謝される事など、普段は無い。
デーモンハント関係者は大概、エルザ達のように前線で戦うハンターを使い捨て程度にしか考えていない。
ケイシーのように例外もあるが、多くの関係者がハンターの命を軽く見ている。
そのため、ミファのような人がいるという事実が、少し嬉しかった。